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☆こちらは絶対可憐チルドレンの私設ファンサイトという名の妄想垂れ流し二次創作サイトです。 ★原作者・出版社・テレビ局・アニメ制作会社等とは一切無関係です。女性向け、腐った妄想垂れ流し注意。☆少佐と愉快な仲間達(幹部3人)を愛でるサイト。葉の可愛さにやられた。兵葉推進してますよ!妄想CP:真木×兵部、真木×葉、兵部×葉、葉×兵部、幹部と少佐を愛でたいです。葉受けが好きかもしれない。何あの可愛いツンデレ。
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毎日更新20目!ようやく3分の2終わった-!もうラストスパートです。



真木兵、兵葉前提の真木葉の「初めて」話ですが、どちらかというと「きっかけ」話に。
以前かいた兵葉の続きというか、途中までは同じ話で途中から分岐しています。
なのでもしよかったら先にそちらをどうぞ→■



ラブ    ゼロ
0 to O

拍手[6回]


 


「真木さん、起きて、起きてってば!」
「う……よ、葉か?今……何時だと思ってるんだ……」

目覚まし時計も鳴らないまだ深夜とも言える時間帯。
真木は空気を直接震せる音波と、頭をぶんぶんと揺さぶられる衝撃に意識が浮上した。シャツの襟首を掴まれシェイクされて軽くグロッキー状態だ。しかしそんな泥のような意識も、葉の放つ一言で簡単に霧を晴らされる。


「少佐が大変なんだって!」


真木はおそらく、少佐の「しょ」の文字辺りで反射のようにパッと目を覚ましたに違いない。


「少佐がどうした?!」
「いつもの、発作で……、全然薬効かなくて…とにかく早く!」


未だ真木の襟首を掴んだまま、力尽くで浮遊移動を始める葉にベッドから引きずり出される。


「すぐに行く。お前も少し落ち着け」


ぎゅっとシャツを掴んだまま白く血の気が引いた指先をやんわりと引きはがしてよく見ると、葉はいつもの若者らしい服でも寝間着がわりのシャツに短パンでもなく、兵部のバスローブを身につけていた。


真木は一瞬眉を顰めて何かを言いかけたが、結局は言葉を飲み込んだ。
葉が兵部のバスローブを身につけているという事実が何を示すのかはあえて聞かずともわかるし、何より敬愛するボスの元に馳せ参じるのが先決だった。


――


「これでひとまず良いはずだ」
「はぁーよかった…」

すやすやと寝息すらたてて穏やかな寝顔を見せる兵部を見下ろし、二人はほっと溜息をついた。真木が兵部の頬にかかる髪を払うと、兵部はむず痒そうに身動ぎをして寝返りを打つ。子供の頃に見上げたそれよりもずいぶんと小さく見える背中をぽん、と叩いて布団の上掛けを肩まで引き上げた。その横では、葉が気力が抜けたのか柔らかい絨毯にへたりこみ、兵部の眠るベッドに顔だけ乗せて突っ伏している。


「真木さん、ありがと」
「お前に礼を言われる筋合いはない。それに少佐がこれくらいでくたばるはずはないだろう。だいたい、お前はうろたえすぎなんだ」


真木は大きな手を葉の頭の上に乗せると、葉の隣、ベッドの足に背を預けるように絨毯に腰を下ろした。


「ハハ……それ少佐にも似たようなこと言われた」


横に視線だけを送ると、しゅんと項垂れる葉が視界に入る。肌蹴たバスローブから覗く仄かに色づいた肌はうっすら汗が滲んでいた。


――それが何を示すのかは聞かなくてもわかる。
その思いが再び真木の頭をかすめた。


「あとは俺がついている。とにかく、おまえももう休め」
「……うん」

葉は気怠そうにやっとのことで腕で顔を覆うようにして突っ伏していた頭をあげた。
床にくしゃくしゃにちらばった衣服を念動力で引き寄せ立ち上がる。

「じゃあ俺行くから。真木さん、あと頼むね」
「……ここにいないのか?もしも俺に遠慮してるんだったらそんなの――」
「そうゆーわけじゃないけど」

そうじゃなくて。
こういうことは言葉で説明するのは難しいのだと葉は笑った。


「ならここにいろ。少佐が起きた時説明するのも面倒だしな」


真木がベッドの隣のソファを示してそこで休むよう促したが、今さら眠る気になどなれなかった。
再びもとの場所、真木の隣に腰を下ろして一枚引き寄せたブランケットを肩から羽織る。


夜明けが近い。
どちらも何もしゃべらず、兵部の不規則な寝息だけが時折背後から二人の耳に届くだけだった。


「ねぇ、真木さん」
「なんだ?」

言いたいことは確かに何かあるはずなのだが、明確な言葉にならず喉の奥へ消えていく。胸に重い石を飲み込んだような気持ちになってうまく息ができず、葉は毛布の内側で膝を抱え、となりに座る真木をちらりと見た。


「あ……いや。なんでもないっす」
「……そうか」


真木と兵部の関係はもちろん葉も知っていたし、葉と兵部の関係を真木は知っている。
しかしそれについて改めて話し合ったことはなく、こうして目の前で関係を視認するのは互いに初めてだった。嫉妬が全くないと言えばもちろん嘘になるが、それよりも、共犯者のような、奇妙な連帯感のようなもののほうが余程心地良く二人の距離を満たしていた。


だから、心に重くのし掛かる暗雲があるとするならば、それは嫉妬のような感情ではなく、こうして目の間につきつけられた兵部の不調だったり、そう遠くない未来に確実に訪れる別離に対する言いようのない不安なのだ。


カーテンから漏れる白じむ朝の匂いに、どちらからともなく明日の天気の話や、仕事の話などをしていると、兵部がかすかに呻いて身動ぎする気配が伝わった。真木と葉がふりかえると、兵部はこちら側をむいてぱちぱちと瞬きしていた。


「おはようございます、少佐。気分は、」
「少佐、だいじょうぶ?」
「……うん?平気だけど、」


なんでここに二人が?と兵部の眠たそうな瞳が言っている。
真木と葉がなんて説明しようかと顔を見合わせると、兵部は発作のことを思い出したのか、心配かけてごめんね、と囁いて体を起こした。が、すぐに真木の腕に押しとどめられて枕に戻される。まだ無理はしないほうがいい。二人にそう窘められ兵部は枕に頬を半分埋め、二人の顔を見比べると面白そうに目を細めた。


「……昔はケンカばっかしてたのにね」
「なーに言ってんの、少佐。今だってしますよ?真木さんって頭硬いし口うるさいし」
「おまえが軽薄すぎなんだ!フラフラふらふら、もっと幹部としての自覚をだな……」
「痛っ。ほら、またー」


ぶーっと頬を膨らませる葉の額を、ついいつもの反射で伸ばした真木の髪がぺちんと叩く。
そして真木はまじめくさった声で「でも、」とつけたした。


「一つのものを取り合ってケンカするほど、子供じゃありませんから」
「ねー?」

普段この幼なじみに対しては容赦なく毒舌を繰り出す葉も今日ばかりはずいぶん素直に頷いた。
「だから心配すんなよ」と笑う。


「それにアンタこの調子じゃ今日の予定はキャンセルするつもりなんだろ?俺がちゃんと働いてきてやるから、たまにはゆっくり休んでればいいよ。あ、真木さんがしっかり年寄りの介護してくれるって」
「よ・う? 誰が年寄りだって?」
「ええと、真木さんがこのまえこっそり言ってましたー」
「嘘吐け。でもまあ、仲がいいのは結構だね。ふたりとも、ずっと仲良くしろよ」
「少佐、今の話聞いてました?!ちっとも仲良くないですよ?!」


だから、ただ願う。
兵部を頂角に挟んでなりたつ、この安定した二等辺三角形がいつまでも崩れないようにと。

 

 

――――


今になって思えばあれがきっかけだったのかもしれない。


それ以来、葉は一月に一度、多いときは二度ほど、真木の部屋を訪れるようになった。理由はその時々で違って、「暇」だとか「酒につきあって」だとか、いずれも他愛の無い誘い文句だった。


言葉にこそしなかったが、半ば自棄になって「不安」を訴えるように撓垂れかかる葉を無下に追い払うことが出来なかったのは、真木自身、どうにもならない焦りを抱えていたからかもしれない。育ての親との誰にも言えない苦悩も幸福も、唯一共有出来る共犯者は一緒に育った幼なじみだけだった。


葉が兵部のことを口にすることはなかったが、兵部が原因なのは明らかだった。甘えたと思ったら拗ねてみたり、くったくのない笑みを見せると思ったら次の瞬間には真剣な顔でどこか遠くを見つめている。


その夜も「眠れない」と訴える来客に、ブランデー入りのホットミルクを二人分用意して部屋に戻ると、葉はクッションを抱えるようにして体を丸めてシールに寝転がっていた。何が楽しいのか子供のように落ちつきなくごろごろ転がっている葉に、呆れながら声をかけた。

「どうしたんだ?」
「このベッド、少佐の匂いがする」

ぽふん、と大きな枕に顔を埋めて葉はくぐもった声で囁いた。

「ああ、今朝までいたからな」
「……いいな-、真木さんは」
「寂しいなら俺のところに来ないで直接少佐の元に行けばいいだろ。俺だってそんなに暇じゃないんだが」


大量の書類が山積みになっている部屋の隅の机を顎で示して真木はきっちり着込んだスーツの上着を脱ぐと椅子の背にかけた。


「少佐なら澪と桃連れてチルドレンとこ行ったよ。そろそろ帰ってくると思うけど」
「そういえばそうだったな」


真木は兵部の予定やらバベルの監視の報告を思い浮かべて一人頷く。
そして見ているほうの幸せが逃げていくような盛大な溜息をつく葉を横目で見た。


「まぁ…その、なんだ……おまえも素直じゃないな」
「……真木さんほどじゃないデスヨ」


結局、こんなところも自分たちはよく似ているのだ。
真木も葉にならって溜息を一つつくと、ネクタイを緩めてまだふて腐れている葉の上に屈む。兵部が小さな子供にする仕草を思い出すようにして茶色い癖髪を撫で頬にキスをすると、葉もまた兵部が好んでする悪戯めいた笑みを浮かべて真木の髪を引き寄せた。

 


「なんかさー、真木さんとすると、少佐のこと思い出すんだよねー。顔とかアレとかちっとも似てないのに、癖がすっげぇ似てる」


結局仕事の9割をまだ残したまま、こうなったら明日の夜葉にも半分手伝ってもらおうと決心した真木を葉は上目遣いに見上げる。心地良い疲労が体を浸し、まだベッドの上から動けそうになかった。まだ熱のこもった瞳に見上げられ、真木は「もうこれ以上は面倒を見ないぞ」と葉に背を向けるように寝返りを打った。


「そういうおまえも……少し少佐に似てるぞ。恥ずかしくなるとからかって誤魔化すところとか、そのくせ自分がヨくなると素直に鳴き出す快楽に弱いところとか」
「ふぅん。そうなんだ?」


葉は目の前の、真木の裸の背中にぴとりと頬を寄せると囁いた。
蒸し暑く寝苦しいのに冷房をいれるほどでもないので、布団はかけないままだったから、汗ばむ肌色が目の前に広がって葉は少しだけ、確かに照れたように頬を赤らめると、真木の首筋をくすぐった。


「こら、やめろ」
「いーじゃん。仲良くしましょーよ」


くすくすと笑う声が心底楽しそうなのは、育ての親に似てしまったからなのだろうか、と真木は密かに項垂れる。

「断る。だれのせいで寝不足だと思ってるんだ。明日は手伝わせるからな」
「んー、仕方ねぇなー……」

眠たそうな声が背中側から返り、ようやく静かになったと真木はまた溜息をつく。
しかしこの数分後に、「僕もここで寝て良いかな」と葉に輪を掛けて気紛れで寂しがり屋で悪戯好きな兵部が突如テレポートで乱入してきて算段が狂うことになるのは、たまりにたまった仕事の段取りを眠い頭で必死で廻らす真木は知る由もないのだった。


 


ラブ    ゼロ
0 to O



――――


兵葉と真木兵前提の真木葉の場合、兵部さんに「仲良くしろ」って暗にいわれなきゃ真木葉は関係を持たないだろうなーと思うのでこうなりました。二人とも少佐が一番だし。でも互いに少佐の面影や癖なんかを見ちゃって切ない真木兵が好きです。だいぶ薄暗いので、もうすこしギャグよりな真木葉もいつかかきたいです。

悪戯っこ二人で真木さんはかなり大変。



お気に召したらぽちっといただけたら嬉しいですv






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