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今から力尽きて寝るまで真木兵を連続更新しようと思います。徹夜明けのテンションって怖いネ\(^o^)/
1こ1こはとっても短いです。
まずは一個目
ちなみにお題にそってます。
お題はこちらからお借りしました→リライト様
猛獣の飼い方10の基本
1あるていどのきけんをかくごしましょう
「本当にあなたは――いい歳して恥ずかしくないんですか?!」
「なんだよ、真木の癖に。生意気だぞ」
ぷーーっと口を尖らせてふて腐れるのは、可愛いといえば可愛いが、80才をすぎた人間のやることではない。
真木はまた一つ溜息をつき、言葉を続けた。
「こんな天気の中傘も差さずに外で遊び回るなんて、子供じゃないんですから」
外はどしゃぶり、暴風雨。
いつのまにかアジトから姿を消している兵部が、ベランダに飛び込んできた姿はずぶ濡れで、足元まで水溜まりが出来ているのを見れば真木でなくたって頭を抱える。
「いくらあなたでも風邪を引きますよ」
「楽しいよね。わくわくしない?こういう天気」
うん、会話が通じている気がしない。コミュニケーションってなんだっけ。
真木が思わず頬を引き攣らせると、びしょぬれの子供はぺたぺたとフローリングを横切り真木の前で足を止める。
「ほらぁ。真木も行こうよ。この雨と風の中飛ぶとさ、洗濯機でもみくちゃにされてるみたいなんだぜ」
兵部が真木の皺一つないスーツに抱きつき、今度こそ真木はあからさまに顔をしかめた。
洗濯機では洗えないからクリーニングに出すしかないな、などと考えながらわかりましたお供させていただきますと頷いた。
途端に変わる周囲の景色。
兵部の力で、二人は大荒れの空中に投げだされていた。
「なんだよ、せっかく僕がデートに誘ってるっていうのに、ずいぶんな顔だな」
「これデートなんですか?!」
「広い夜空にふたりっきり。眼下に広がる100万ドルの夜景。どう見たってデートじゃないか」
何をバカなことを言ってるんだい君は。
不審そうに真木を横目で睨む兵部の視線を痛いほど感じながら、ああもう何も考えるのはよそう、と真木が俯いたとき、風に煽られどこからか飛んできた、骨だけになったすかすかのこうもり傘が、真木の後頭部にプスっとささったのだった。
1あるていどのきけんをかくごしましょう
(猟奇的な変人)