忍者ブログ
☆こちらは絶対可憐チルドレンの私設ファンサイトという名の妄想垂れ流し二次創作サイトです。 ★原作者・出版社・テレビ局・アニメ制作会社等とは一切無関係です。女性向け、腐った妄想垂れ流し注意。☆少佐と愉快な仲間達(幹部3人)を愛でるサイト。葉の可愛さにやられた。兵葉推進してますよ!妄想CP:真木×兵部、真木×葉、兵部×葉、葉×兵部、幹部と少佐を愛でたいです。葉受けが好きかもしれない。何あの可愛いツンデレ。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

昨日は久々の更新だったせいか、パチパチやコメントやら、たくさんいただけてほんとに嬉しかったです!!やる気を本当にいただいてます…ありがとうございます><!!


今回は前回の直接の続きではなく一旦幕間を挟んでます。時系列は前回の話のちょっと前。
あと1,2回で完結




ADVENT 2
 
――幕間――

拍手[1回]



「あの白いのはなに」

小さな指が夜空の片隅を指さした。
幼い葉を抱きかかえていた兵部は、肩越しに差す子どもの指の先にあるものが知りたくてくるりと首を廻らせる。ホログラムのような光の蜃気楼。


「ああ、あれは天の川だよ」

兵部の吐き出した息は白く、済んだ声と共に凍り付きそうな冬の夜空に白い吐息がキラキラと消えて行く。地上数千メートル。都会の光に邪魔されず、ここからは星がよく見えた。兵部の能力でマイナス何十度という冷気は遮断しているが、それでも地上の冬と同じくらいには冷え込んでいた。それほど気にならないのは体温の高い子どもを抱いているためだった。

 

「お空にも川があるの?」

「小さな白い星が集まってるんだ。ミルクで出来た川みたいだろ?」

「うん、きれー」

「太陽も、僕たちが住んでるこの星も、あのちっちゃな星の一つなんだよ」

「ふーん」

わかったようなわからないような、曖昧に唸る子どもに兵部は苦笑をした。
ちょっと難しかったかな、と。

 


 ――――

 

ひょんなことから戦場で拾ったのは錆び付いた弾丸でもなく死体でもなく、ちゃんと生きていて血の通っている、小さな3人の子どもだった。この年になって子を持つとは思わなかった、と兵部は幾度も思い返す。子どもの育て方などわからなかったが、自分なりに心を砕いてまっすぐに向かい合ってきたつもりだった。その甲斐があってか、小さなマンションの一室を借りて始めた「家族ごっこ」はわりとうまくいっていた気がする。


「少佐、どこに行ってたんですか!2日も黙っていなくなって!俺たちがどんなに心配したかと」

「家のことと、二人の面倒見てくれてありがとう、司郎」

「な、なにしてるんですか少佐!…離してください…」

「んー?ご褒美だよ」


懐くのが早かったのは、意外なことに3人の中で一際警戒心と敵意を剥き出しにしていた司郎だった。
他の二人よりも僅かに長く生きている分、それなりに世の中の汚いところを見てきただろう少年は、兵部を信用に足ると見るや彼の熱烈な崇拝者に変わった。それほど兵部は圧倒的な力を持っていたし、気紛れな魂は純粋で魅力的だったのだ。もっとも、司郎はそれを表に出そうとはしなかったが、兵部に隠し果せるわけもない。毎日毎日、早く大きくなれるように、早く恩返しがしたいと、真っ直ぐに兵部だけを見上げていた。そのせいか司郎の成長は早く、筍のような勢いで日々背丈も能力も毎日伸びていく。昨日よりも大きく、今日よりも強く、その心に見合ってまっすぐに育つ子どもの成長を、兵部もまた心待ちにしていたのだった。

 

「ごめんね、なかなか帰れなくて。あの人にこのアジトを知られるわけにはいかなかったから」

「あの人…?」

「うん。君たちにもいずれ紹介するけど、なかなか手強い人なんだ。でも安心していい。僕が君たちを守るよ」

「わたしたちだってもう戦えるもん」

 

唯一の女の子である紅葉は、やはりそれほど手がかからない。
兵部も男だし幼なじみの二人も男の子だったから色々と難しいだろうと思ったが、兄と弟の存在は彼女に良い影響を与えていた。元気いっぱいだが女の子らしいしなやかな性格の少女は、3人の中で一番のびのびとしていた。そういうところは少し自分に似ているかもしれない、と初めて娘を持った父親のように兵部はこっそりと惚気ていた。

 

「って、またドッカン?犯人は……って見ればわかるか」

「ひっく…っく…うわあーーーーーーーーーーん!」

「これでも俺たちで半分は防いだんですけど。葉、いい加減泣き止め。少佐が帰ってきたぞ」

「だいじょうぶだよ、家はまた直せばいい。能力の特性上仕方ないことさ。司郎だって昔はおねしょくらいしてただろ?でも確かにちょっと近所迷惑だね……こら葉、髪を引っ張るな僕の服で鼻かむな!しょうがないなぁ。じゃあいくら泣いてもいいところに連れてってあげる。二人とも、ちょっと留守番頼むね」

 

拾ってからもう半年は経ったのに、未だに慣れないのは一番幼い葉だった。
慣れない、という表現は適切でないのかもしれない。借りてきた猫のように大人しい。ぽやんとした、一見するといかにも子どもらしい大きな瞳は、いつもどこか遠くを眺めていた。戦場で怖い目にあっただろうに自分の身に起きたこともわかっていないさそうなあどけない表情が、兵部の胸を締め付けたのだった。

 
 

 ――――



 

「さむい」

葉は呟いて兵部のふわふわしたマフラーに顔をうずめた。服をきゅっと握る小さな子どもの手に、兵部はふぅっと息を吹きかけた。葉はくすぐったのか、やはり寒かったのか、子猫のように首を縮めて冷えた頬を擦り寄せた。可愛らしい仕草と震えるか細い声に、

「もう帰るかい?」

と聞いたが葉は小さく首を横に振った。もう少し一緒にいたい、とでも言いたげな潤んだ瞳に、「心配しなくても、ずっと一緒だよ」と兵部は仮初めの約束をして、宥めるように柔らかい赤毛を撫でた。「一緒にいこうね」と口にすれば、それはますます嘘っぽくなるが、葉は気付かないようだった。こくりと頷いて、「じゃあもう帰る」と兵部の袖を握った。



徐々に下降する。空の星は埃で靄がかかったようにくすみ遠のき、青いリンの花火を燃やしたような地上が近づく。空から見た時は、ぼんやりと発光する分厚い光の塊のように見えた街の夜景は、二人が下降するに連れてビルやハイウェイや電波塔、一つ一つの灯りがはっきりと判別出来るようになっていく。それはまさしく、天の川を構成する小さな星の一つにも等しかった。










ADVENT 2
 
――幕間――








――――――


クリスマスなら銀河鉄道ネタも外せないよね!って感じの幕間でした。


次は、前回の続きになります。
お気に召したらぽちっといただけたらはげみになりますv



 

 

 

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カウンター
ごあいさつ
☆管理人:ふーた
☆こちらは絶対可憐チルドレンの私設ファンサイトという名の妄想垂れ流し二次創作サイトです。
★ 原作者・出版社・テレビ局・アニメ制作会社等とは一切無関係です。
☆ 一部に性的表現を含みます。


リンクフリーですが報告いただけたら喜びますです!


一周年記念にいらすと頂きました!
omeome.jpg
ハナ様にいただきました!!!









hfa.jpg
小塚様にいただきました!!!









氷宮様にいただきました!!!







応援リンク中!
真木兵アンソロジー
参加させていただきました!
zmhs.gif


詳細はこちらから!
ブクログ本箱
最新コメント
[10/31 日向]
[08/17 クイーン]
[03/15 楓~]
[03/15 楓~]
[03/14 のん]
[03/14 ふーた]
[03/14 ふーた]
[03/13 のん]
[03/12 のるん]
[03/12 のるん]
アクセス解析
忍者ブログ [PR]