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☆こちらは絶対可憐チルドレンの私設ファンサイトという名の妄想垂れ流し二次創作サイトです。 ★原作者・出版社・テレビ局・アニメ制作会社等とは一切無関係です。女性向け、腐った妄想垂れ流し注意。☆少佐と愉快な仲間達(幹部3人)を愛でるサイト。葉の可愛さにやられた。兵葉推進してますよ!妄想CP:真木×兵部、真木×葉、兵部×葉、葉×兵部、幹部と少佐を愛でたいです。葉受けが好きかもしれない。何あの可愛いツンデレ。
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というわけでお題にしちゃいました、『子供の情景でパンドラ13のお題』ってことで。
「(大人が懐かしむ)子供の情景」っていう解説に、すごくパンドラっぽさを連想してしまったので。
今回は紅葉視点です。のんびりまったりいきます。

1.見知らぬ国と人々について  Von fremden Landern und Menschen(ト長調)
(真木兵部前提の紅葉+葉)

2.不思議なお話              Kuriose Geschichte(ニ長調)
3.鬼ごっこ                  Hasche-Mann(ロ短調)
4.おねだり                  Bittendes Kind(ニ長調)
5.十分に幸せ                Gluckes genug(ニ長調)
6.重大な出来事              Wichtige Begebenheit(イ長調)
7.トロイメライ(夢)        Traumerei(ヘ長調)
8.暖炉のそばで              Am Kamin(ヘ長調)
9.木馬の騎士                Ritter vom Steckenpferd(ヘ長調)
10.むきになって             Fast zu ernst(嬰ト短調)
11.怖がらせ                 Furchtenmachen(ホ短調)
12.眠りに入る子供           Kind im Einschlummern(ホ短調)
13.詩人は語る               Der Dichter spricht(ト長調)

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兵部京介という名前の子供が、私達に全てをくれた。

あの人の温かい手が、
憎しみと痛みに凍りついた世界からもっと空に近いところまでひっぱりあげてくれた。

あの人の声が、
「化け物」とか「猛獣」などという名しか持たなかった私達に、名前を呼ばれる喜びを教えてくれた。

あの人の側で眠ることで初めて、
目が覚めた時に見える世界がこんなにも光に包まれていることを知った。




1.見知らぬ国と人々について




薄い紫と黄金色が混じり合った朝焼けのスカイラインが、昨夜閉めそこなった遮光カーテンの間から零れ落ちる。起き上がるにはまだ早く、もう一度さっきの甘い夢の中に戻るには心許ない中途半端な時間帯。

ほら、こうしている間にも、たった今まで見た夢はもう手の平から水が零れおちるようにゆっくりと意識の深淵に還っていく。

どんな夢を見ていたんだっけ。小さなころの夢だったような気がする。
記憶に微かに残る暖かいぬくもりを思い出すように、枕代わりにもしてる大きなクッションをぎゅうと抱きかかえ、寝返りをうった。

「………ん?」

指が、毛布よりも暖かく、クッションよりも柔らかい「それ」の輪郭を捉える。
なんでここに、と目を擦るが夢ではない。半分寝ぼけていた頭はゆっくりと浮上する。

「……寝るなら自分の部屋で寝てよ、葉」

起きて、と乱暴に揺り起こす声は自分の声じゃないみたいに掠れている。それもそうだ。独り寝の寝起きに誰かとしゃべることなんて無いんだから確かめようがない。腕を支えに半分起き上がり、なぜか隣で眠っている葉をぼんやりと見下ろす。白い枕カバーの上にふわりと広がる明るい茶色の髪が、気の早い朝日を弾いて淡く輝いていた。

いつからいたのだろうか。一人で寝るには大きなベッドだから、気付かなかった。
とりあえずはだけた寝間着の胸元を、葉が起きる前にきちんと調え、もう一度、すぴすぴといっそ間抜けなまでに暢気な寝息を立てる同胞を揺さぶった。

「……ん、なに…あれ?もみ、じ?…おはよー」
「おはよう、じゃないわよ。なんで私のベッドで寝てるの?」

半分塞がる瞼を擦りながら、葉がやっと目を覚ました。ぼんやりと焦点の合わない眠そうな目は、部屋を視線だけでぐるりと見渡し、最後に私を見て、ぱちぱちと二三度目を瞬かせた。

「ワカンナイ」
「なに、あんた夢遊病なの」

呆れて見下ろすと、葉は猫みたいに手足を伸ばして伸びをしているところだった。
本当に、マイペースなやつである。
私のテレポートで強制的に自室に送り返してしまおうか、と思った時、葉は独り言のように「思い出した」と呟いた。

「真木さんが……」
「真木ちゃんがどうかした?」

言いにくそうに口ごもるから先を促すと、葉はさっきまで私が抱き枕にしていたクッションに手を伸ばす。枕をぎゅうぎゅうと抱きかかえ顔を埋めるから、次にようやく発した声は、さっきよりも数段聞き取りづらかった。

「ゆうべ遅く、真木さんが少佐の部屋に入っていくとこ見ちまったんだもん」

ぎゅうとしがみついたクッションは変形している。その表情は見えなかったが、不機嫌そうな声と、少し朱くなっている頬が見えているから予想はつく。お気に入りの枕なんだから涙とかつけないで欲しいなーなんて、取り留めなく思いながら、私のそんな良くない頭はようやく葉の言葉の意味に思い当たった。

「ったく。それは、どっちにヤキモチを妬いてると解釈すればいいのかしら?」
「……両方、たぶん」

たっぷり10秒以上の間を置いて返ってきたのは、甘えたがりの末っ子らしい返答だった。

「で、一人で寝れないから私のとこにきたってわけ?」

葉は寝癖だらけの頭をぶんぶんと振る。勢いがありすぎて否定だか肯定だかよくわからなかった。

真木ちゃんと少佐のそういう関係がいつから始まったのかははっきりとは知らない。
でも、私達の中で一番年上で体も大きく超度も高く、私と葉をいつだって守ってくれていた彼が、色んな意味で少佐のパートナーの位置につくことは、ごく自然な流れだったように思う。

だからといって真木ちゃんと少佐の距離が一番近いかというと恐らくそうではなく、心の距離も、与えられる愛情も、良く似た境遇で一緒に育った私達3人は対等だと信じている。
葉もそれを知っていると思っていたのに。

「違う。別に少佐と真木さんがヤってるのが嫌ってわけじゃなねぇよ」
「うん、解ってるって」

それに、私は知っている。
葉と少佐もだいぶ前から「そういう関係」にある。、それでもうまくいっている3人の、ハタから見たら不思議としかいえない絆を、私はずっと、その赤い糸の輪の外から眺めて見守っている。

「ごめん。ただ、寂しかっただけ。だって昔は四人で一緒に寝てたじゃん」

まるで、大人になることを寂しいとでも言うように、血の繋がらない弟はふて腐れる。
血は繋がらない兄弟だけども、でも、魂は繋がっていると思っている。
だから葉の気持ちは痛いほどわかった。

「ばかね」

おでこを指でぴんと弾くと、葉はクッションにうずめた顔をあげた。
そのすきに、

「なにすんだよ!」
「昔は私や真木ちゃんがこうすると葉はすぐ泣き止んだのに」
「い、いつの話だよ」
「ねえ。時々なら、こうして一緒に寝ても良いわよ。昔みたいにね」

言いながらベッドに横になる。葉のほうに背を向けると、葉も少し離れたところでこちらに背中を向けたのが気配で伝わる。

昔語りをしていたら、目は冴えているのに頭が妙にぼんやりして眠くなってきた。

さっき久しぶりに小さなころの夢を見たのは、葉が隣で寝てたからのような気がしてきた。
見た夢の内容なんて覚えてないし、私達は二人とも精神感応者ではないからそんなことは有り得ないかもしれないけれど、そうでなければこの懐かしい心地よさの説明はつかないような気がした。

うとうとと再び眠りにつくころ。

「なぁ。紅葉」

同じく眠たそうな気の抜けた声が朝と夜の狭間に返る。

「不安に思わねぇの、少佐のこと」

大人になることが怖いということ。
変わってしまうのが怖いということ。
私達の愛する少佐が何十年も時を止めて姿を変えないからなおさらだ。

でも、

「私達も変わらなければすむことでしょ。もう寝るわよ、おやすみ」

あと30分で新しい明日が始まる。
すっかり輪郭を見せ始めた朝日に、またカーテンを閉め忘れたなんて思いながら、再び短い眠りについた。






1.見知らぬ国と人々について
(地獄からひっぱりあげてくれた力強い手は、実は細く白い手だった。)
(名前を呼ぶ優しい声にいは、常に別れの未来を見据えたサヨナラが込められていた。)
(光をくれたあの人自身は、はまだ数十年の時をとめて闇の中にいた。)
(それでも新しい世界を与えてくれたあの人に、世界の終わりまでついていく




――――――

アニメ50話をひきずったらやたら寂しげになってしまいました\(^o^)/
家族愛の延長な真木×兵部×葉が大好きです

お気に召したらぽちっといただけたら励みになります…v

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