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for heaven's sake →■の続きの真木葉です。
注意書きというか↓
えーと、真木×兵部と、兵部×葉前提で、3人が3人とも、それぞれ他の二人の関係を知っていてオープンに認め合ってるような関係に萌える。真木→兵部←葉だけども、ちいさいころから一緒の家族愛てなものも前提の、嫉妬などはない三角関係希望!ああうまく説明できない。
だいたいそんな感じです!
for heaven's sake2
(どうかお願い)
思わず覆い被さってしまったのは、頭の奥の方がアルコールのせいでくらりと脳震盪のように揺さぶられたからだと真木は思った。
葉は自分から誘ったくせに顔を背けて逃げようとした。だから逃げられないように顔の横に両手をついて閉じ込める。そうすると、今度は「冗談デショ」とふざけたことを言った。
冗談じゃない、全く。
「もう黙れ」
「ん……ンふっ……く…」
両手を重ねてシーツに押しつけ、逃げる舌を執拗に追うと、葉は一応だがようやく大人しくなった。
「ハっ……」
酒臭い。喉が渇く。
真木が顔を離すと、酸素不足で潤んだ瞳が見上げているのと目があった――いや、睨まれていると言った方が正しいかもしれない。濃い蒸留酒をそのまま溶かし込んだような色の瞳は、真木や紅葉のものや、ましてや兵部のものとも違う。
特に何か考えたわけではない。
自然と、アルコールで濡れたままの舌を葉の眼球に伸ばしていた。
「……あんた見かけによらず変態?」
「どうしてそうなる」
「じゃあ酔ってんすか?」
信じられないことだが、そうかもしれない。
兵部は酒を好まないから当然夜を付き合う時は真木も飲まない。だから酒に耽溺した状態で事に及ぶこの状況は、かなり珍しいことだと言えそうだった。
「おまえが無理に飲ませたんだろう」
サイドテーブルに置いた半分氷が溶けかけたウィスキーを念動力で引き寄せ煽った。ただし飲み込まず、もう一度葉の唇を舌でこじ開けさせると、中身をそっくりそのまま流し込んだ。
「ケホッ……ちょ、寝たままだと変なとこ入る…!」
口の端から零れた酒を手の甲で拭って荒い息を吐く様子に、真木はひとまず溜飲を下げた。……少し、大人げなかったかもしれないが。
もう一度、今度は意地悪をするつもりはなしにキスをした。葉も抵抗せずに、顎の角度を変えて真木を受け容れようとした。とろんとした目は相変わらずで、鼻をスンスン鳴らす様子が充分に酔ってることを示していた。
「……真木さん、手、痛い。放して」
「悪い」
ぱっと手を離すと、押さえつけていた手首にはくっきりと赤跡が指の形についていた。葉は自由になった手をだらりと伸ばすと、うううと唸った。
「暑ちぃ」
「冷房いれようか」
「んやーいい」
度数の高いアルコールのせいだ。
ぐだーっと溶けそうに力なく笑う様子は、どこからどう見ても酔っ払いである。真木が呆れて見下ろしていると、葉はTシャツの縁に手をかけると頭から一気に脱いで、床に放り投げた。
「……脱ぐなよここで」
「だってあついんだもん。真木さんも脱いだら?暑くねーの?」
葉は手を伸ばして真木のシャツのボタンをぷちんぷちんと一つずつ外していく。そうして現れた腹筋に手の平をぴったりとつけると「やっぱ熱いじゃん」と笑った。
そういう葉の手だって、すごく熱い。
じわりと熱をもって、痺れる輪郭が覚束ないのは酒のせいなのだもちろん。
真木は再び葉に覆い被さると、汗ばむ首筋に唇を吸い寄せた。
しょっぱい、と直感的に感じる塩気もくすぐったそうに身をよじる仕草もむしろ悪くなく、悪いとすればやめられなくなってしまいそうなことだけだった。
隆々と流れるような首筋からくぼんだ鎖骨へ、薄い骨張った胸へ。
なんども唇をすべらせる。移動するたびに朱色の鬱血の跡が一つずつ増えていく。唇で色づく膚を食み、つぶすように捏ねる。思わず噛みついてしまったのは、柔らかい産毛が枕元の薄暗い灯りに反射してまぶしかったから。
葉の背がのけぞり断続的な甘い声が響く。
その隙に下衣をくつろげると、一瞬だけ体が強張った。
「あ、わ、ダメ…!」
真木は構わず緊張する中心に手を伸ばした。やわやわと握り込むと、すぐに芯が形を持ち真木の手を熱くした。邪魔な下着ご半分ずりさげ、指を絡ませて上下に扱く。それだけでたまらないと言った声があがり、真木は躊躇なく唇にくわえた。
じたばたと足が暴れるが絡みついた服のせいであまり意味はなさない。
「ん……だ、めっ」
腰を少しもちあげ、後の窄まりに指を押し当てる。傷つけないようにゆっくりと指の腹で侵入させると、一際甲高い声があがった。指が一本、完全に根本まで入るともう一本。同時に前を、舌先でキスをするよりも乱暴な動きで這わせ舐る。ぴちゃぴちゃと水音がして、それから、すすり泣くような甲高い声。
「ァ…ン、ちょ、真木さ…ん、も…はなして…で、る…っ」
それで放すわけはない。
本当に限界のようで、びくんと腰が浮かび上がると幹が大きく収縮した。あわせて喉をすぼめて奥で深く強くくわえると、あっというまに葉は熱を手放した。
「はっ…んぁっ…」
ごくりと飲み込むと、ぐったりと寝ていた葉は言葉もないという顔つきでそっぽをむいてしまった。汗がしたたり、シーツが湿っていた。荒く上下させる肩に真木は声をかけた。
「…すまなかった」
「ん…は、ぁ、…っハッ、あまりしつこいと少佐に嫌われるっすよ、真木さん?」
絶え絶えの息で、そんな憎まれ口を叩く。
真木は顔を顰めた。どんな極上の酒でも酔いを醒ますような言葉。
しかし萎えるかと思われた欲は、むしろ芯に火がついたようになってしまったのはどういうことかと自分でも自嘲するしかなかった。
「言われるものか。あの方に無理をさせるはずないだろう?」
「へぇ。じゃあ俺なら酷くしていいんだ?」
葉は目をすぃと細めて猫のように笑う。
その仕草がぎょっとするほど兵部に似ていたが、真木はそのことには触れなかった。
「おまえになら乱暴に扱っていいというつもりはない。ただ、その……。どちらがより大事かというだけの話だ」
真木は手を伸ばすと、汗と熱気のこもった癖毛を梳いてやって答えた。
「ふーん。大切すぎて本気出せないって?ま、しょうがないよな」
葉は真木を真っ直ぐにみつめると、何か言いたそうに目を瞬かせた。長い睫毛が影を作るのを、真木はじっと見つめて先を促した。
「……真木さんは、少佐に似てるよ。こーゆーことする時の、困ったように笑う時の優しい感じとか、指とかキスの仕方とか」
「なんだそれは」
真木は狼狽しながらも、足を覆い絡まる衣服を取り去り、膝の裏を支えるように腰を持ち上げた。葉もむしろ協力するように大人しく足を広げると真木の体を膝でぎゅっと抱きつくように足を搦めた。
「でも考えて見れば当然だよね。少佐が、真木さんにいつもされてるようにきっと俺にもするんだから。あ、もちろん真木さんよりもジジイのほうが俺にはずーっといいけど」
悪戯めいた笑みを浮かべる頬に柔らかい癖毛が揺れてきらめく。
今度思わず瞬きしたのは、真木の方だった。葉に押し入りながら真木は口を開く。
「……すると、アレか。おまえの反応も少佐に似てる、というわけか?」
「さあ?…っん、試して見れば?」
誘うように浮かべた微笑みも、色こそ違うが濡れそぼった瞳の熱も、組み敷かれているのにちっとも構わない不敵な言いぐさも、からかうような悪戯好きなところさえ、自分たちの育ての親によく似ていることを今度こそ認めないわけにはいかなかった。
for heaven's sake
(どうかお願い)
――――――
少佐は、自分がいつかいなくなることをわかっているから、その時残された二人が寂しくならないように、(真木には葉を、葉には真木を)自分の癖や面影を無意識に仕込んだら切ないよなーと思います。
真木兵と兵葉が同時に成り立つ、嫉妬とかどろどろな関係がない、3人で一人ような疑似家族愛な真兵葉の関係に萌えますv
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