[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
あ、昨夜葉の夢見ました。初夢に葉だひゃっほーい!って言ってたら初夢って今夜(1日~2日の間の夜)だよと言われて絶望した\(^o^)/今夜こそ……!!
とゆーわけで新年1発目は新年っぽいタイトルにしてみましたな真木兵です。
あ、ちなみに私の今年の抱負は、『No萌えis no ライフ』!萌がなければ人生じゃない!
抱負
夜中に目を覚まして飛び起きることも珍しいことではない。
まだたった16年しか生きていない真木の、抱えた闇は起きている間に脳で処理仕切れるほど、少なくはなかったのだ。今夜もまた血の味の砂を噛んだような、ざらついた夢に目を覚ます。もはや「またか」としか思わない。真木は飛び起きたベッドの上で震えが納まるのを待っていた。
「はっ…はっ…」
見開いた瞳孔に映るのは闇。
小刻みに息をして、心臓の上のシャツを押さえる。寝間着代わりの簡素な白いシャツは掻きむしったような皺が出来てしまっていた。
隣のベッドを見ると、すやすやと幼い寝息が聞こえてくる。甘えたがりの弟が、向こうをむく姉の背中にぴったり抱きつくようにして眠っていた。彼女らも悪夢にうなされるようなことはあるが、今夜は平気なようだ。二人を起こさないようにそっと自分のベッドを抜け出すと、真木は部屋を後にした。
向かう先はキッチン。
冷えたミネラルウォーターを取り出しグラスに注ぐ。冷蔵庫の白い光だけが不気味な唸り声とともに深夜の薄暗い部屋にある。一気に飲み干すと、真木はようやく生きた心地を取り戻した。ここはあの戦場などではなく、兵部に拾われて与えられた居心地の良い家だ。空のグラスをシンクに戻し、額の汗を拭った。
(少佐はもう、寝ているのだろうか)
なぜか、無性に今兵部に会いたかった。
こんな時間だから会わないまでも、ドア越し配を伺うだけでよかった。兵部の存在を確かめるだけで、安心出来る気がしたのだ。思うや否や、真木の足はリビングの向こう、兵部の寝室へと向かっていた。
(少佐……)
壁にそっと耳を押し当て、確かめる。
静まり返った部屋からは、微かな息づかいの音がした。時折、衣擦れの音が聞こえる。途端に言いようのない安心が心の中に広がった。この向こうにはいつものように育ての親が眠っている。安心すると同時に、子どもみたいに寝相の悪い兵部が寝返りを打っている様子を想像すると真木はなぜだか頬が赤らむのを感じた。
(も……いいや、戻って寝てしまおう)
真木はまだ、その理由に気付かない。
気付いてはいけない気がして、その得体のしれない感情がむくむくと頭を擡げると、慌てて心に蓋をする。今も二三度頭を降ると、妹たちが眠る子ども部屋に戻ろうとそっとドアから離れた。
その時、
「あ、は、ぁっ……」
「少佐っ…?」
部屋から聞こえる兵部の寝息が、少し様子がおかしいことに気付く。苦しそうに喉をならなして噎せるように呼吸を飲み込みうなされている。先ほどから聞こえる衣擦れの音も、よく注意して聞けば煩悶しもがいていることに気付けたかもしれない。真木はさっと青ざめる。躊躇したのはほんの一瞬で、次の瞬間にはドアノブを握っていた。
「少佐、少佐!平気ですか、しっかりしてください」
ずかずかと部屋の中央の大きめの寝台に近づき、苦しげに体を丸めて横たわる背中を揺さぶった。兵部は余程恐ろしい夢を見ているのか、眉を苦悩の形に歪め、汗を浮かせて荒く息をついていた。真木が呼びかけても一向に目を覚ます気配はなかった。それでもそのままにはしておけず、真木は何度も呼びかける。
「起きてください、少佐…!」
「は、ァッ、やだ…やめ…て、たい――」
兵部はふいに目を覚ました。
夢から弾けたように、かっと開いた漆黒の瞳が真木を見つめる。
「少佐……?」
兵部の瞳は見ている真木の方が吸い込まれそうなほど透明で、空虚な色をしていた。兵部は荒く息をついている。胸を押さえ、何かを打ち消すように頭を振る。さっきまでの自分と同じだ。真木は兵部が落ち着くのを待ち、震える背中を宥めるように何度も擦った。
「……アッ…、真木……?なんで、ここに…?」
兵部の瞳が現実を取り戻したらしい。瞬きを繰り返す漆黒の瞳はもう、いつもの落ち着きを取り戻していた。深い、暖かい闇の色。その瞳に自分が映っているのを確認して、真木はほっと溜息をついた。
「すみません。通りかかったら、うなされていたようだったので……」
言い訳する真木を兵部がじっと見つめる。見つめられ、真木は急にドギマギと俯いた。寝室に忍び込んだことを咎められているような気分になった。横たわった兵部の細いうなじが伏せた視線に飛び込んでくる。起こすのに夢中で、覆い被さっていたことを今さら思いだして真木は慌てて体を離した。汗ばむ白い首筋が瞼に焼き付いて離れない。
薄暗い部屋の中でもはっきり解るほど頬を染めて俯いた真木に兵部は眼を細めた。
「通りかかったって……どうしたの?眠れなかったのか…?」
兵部は真木に手を伸ばして首をかしげた。寝間着から伸びる手がそっと真木の頭を抱き寄せた。兵部だってまだ苦しそうなのに、無理に笑おうとしたのが震える吐息で伝わる。
――眠れないのはあなたの方でしょう。
そう、言いたいのに。言葉が喉の奥で固まって出て来ない。
どんな夢を見ていたのか、聞きたいのに、問う言葉を真木は持っていなかった。ただ、ひとつだけわかるのは、兵部もまた消せない過去に苦しんでいるということだけだった。そうして見ると、この老獪な育ての親もまた、一人の人間だということに気付かされる。寝乱れた寝間着から覗く白い頼り無げな手首。汗を浮かせた細い首筋。強張らせた震える肩。
真木は思わず寝台の傍らに跪き、兵部の手を包むように握りしめた。
「俺が、守ります。必ず守ります」
何年も生きていて最強のエスパーで、神にも等しいこの養い親の肩がこんなに細いことに初めて気付く。守られるだけでなく、いつか自分もこの人を守りたい。どんな夢を見ていたのかはわからないが、どんな過去でも全てひっくるめて彼を受け止めたかった。言葉にならない願いを込めて真っ直ぐに見つめると、兵部は困ったように瞳を揺らした。
「……子どもが、何言ってるんだよ」
「あなただって子どもじゃないですか」
「僕はもう70になるんだぜ。こんなナリだけど」
言葉にして知らされると、改めて遠い。
兵部を守るなんて口に出すだけでもおこがましいのかと、絶対的な立場の差に真木は一瞬屈しそうになるが、勇気を振り絞って強く手を握り返した。目の前で頼りなく横たわっているのは、ほっそりとした身体のただの少年だった。
「今はまだ、ただのガキですけど……俺が貴方の背を超すくらいになったら、」
きっとあと一年もかからない。
兵部とは違い日々成長していく体はあとほんの少しで見た目だけなら兵部を追い越すのだ。
もし、その時が来たら。
「あなたを、」
「――ストップ」
続きを口にする前に、言葉は遮られる。
兵部の人差し指が真木の唇に触れる。内緒話をするように微笑む瞳に覗き込まれた。
「続きは言わないでくれ」
兵部に暗に拒絶されたと思い、真木の表情が暗くなる。
しかし兵部は苦笑すると目を逸らして言葉を重ねた。
「その……心の準備が必要なんだ」
それは、自分の思いが伝わったのかと真木は聞いてしまいたかった。薄暗い室内に浮かび上がるほっそりとした肢体を今すぐに抱きしめてしまいたい衝動にかられるのを懸命にこらえる。
「それに、今はまだ君の親でいさせてよ」
「ちょ、っと、少佐…なにしてるんですか!」
兵部は顔を赤くする真木の頭を抱き寄せた。
長い黒髪を、子どもにするように梳いて胸に抱きしめる。
「ほら、子どもは親に甘えるもんだ。寝れなかったんだろ?今夜だけだからな」
兵部は笑うと毛布をめくり、ぽふんとシーツを叩く。
呆気に取られる真木を手招きして、それでも真木が硬直したまま動かないと見るや、強制的にテレポートでベッドの中に引き込んだのだった。
抱負
―――
というわけで新年っぽいタイトル付けてみましたよ!!!
あらためてあけましておめでとうございます!!今年もよろしくなんだぜ!!!
お気に召したらぽちっといただけたら励みになります!
早速真木兵部でキュンとした!何もないと自分の思いを自覚できない真木とか、誓われそうになって一歩下がっちゃって、強がって親ぶっちゃう少佐とかに新年早々キュンとしました!!
新年早々こんな素敵なSSに巡り会えて、今年も素敵な真木兵部イヤーになりそうです。キュンキュン。
あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくです!新年1発目は真木兵でした^^^^^b今年も絶チル的に華やかな年でありますように!真木兵がもっと栄えますように!!
養い親である少佐がかっこよくて可愛くてセクシーでイケメンで、子供達は始終理性を試されているように思います(笑)真木さん頑張れ!!!少佐のことが大好きな真木さんが好きです!