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「あの世で先にまってて」も「少佐の体は…!」も!死ぬなよ!でも苦しむ半裸京介がアニメで見れてよかった。漫画で見たときは、なぜ裸で寝てるのかちょっと謎でした。ジジイの癖に随分ハイカラだよな…
真木兵部前提の兵部×葉
ぬるいですがR指定でお願いします。
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「おいで」
とあの低く揺らぎの幅が大きい声に手招かれるのが始まり。
『合歓』
俺は普通に健全に、女の子が好きだ、と思う。
優しくて可愛くって。セクシーな体のラインとか、華奢な手首とか良い匂いのする髪の毛とか柔らかい抱き心地とか。
その点、兵部少佐は全くの対極だ。
細いっちゃ細いけど、傷だらけの体はよく鍛えられて意外と引き締まってるし、柔らかくもない。
しかも本当は80才以上のジジイだし、可愛いとこはあるけど基本的には何考えてるかわからないし変態なロリコンだし。
とにかく、俺の好きな「女の子」とは全然違う。
でも、少佐に抱かれるのは嫌いじゃなかった。
「おいで」
とあの低く揺らぎの幅が大きい声に手招かれるのが始まり。
それまでいくらあのジジイにちょっかい出してもからかっても、一切反応してくれない。飽きた俺がソファに寝転がってエロ本読んだり携帯ゲーム機で遊び出したころ、少佐は気紛れのように声を掛けるのだ。
(ちなみにその時にはもう俺の脳味噌の隅っこから少佐のことなんて締め出されている。大抵、良い感じでシューティングゲームの二面のボスをクリアするかしないか、って頃)
俺が無視をしていると、少佐は指先一つで俺を呼ぶ。空間移動だったり、念動力だったり。
いずれにせよ、次の瞬間には俺は少佐の下に居た。
「……なんだよ、その顔は」
「別に。………い、いだだたた!」
居たたまれなくなってついそっぽを向いた俺を、能力を使って全力で振り向かせる。本当に大人げない。
「拗ねてないで、こっち向いてよ」
「……や、やだ!」
真っ直ぐに見つめると、天の邪鬼なこのボスはするりと手の中を抜けていってしまうのだ。けど俺は気の利いた駆け引きなんて出来ないし、少佐の瞳に見つめられたら動けなくなってしまう。昔からそうなのだ、適うはずがなかった。
「うん、良い子だね」
ちゅ、と軽い音を立てて、前髪を避けられた額にキスをされる。気恥ずかしさで咄嗟に顔を背けてしまうが、今度は咎められなかった。代わりに、背けた首筋に同じように唇が触れる。
「……このエロジジイ」
「ん、何か言ったかな、葉?」
「何でもないッス」
もう、見てられないから目を瞑った。ただし、精神感応で読まれないように注意は怠らない。幾ら悪戯好きのボスでもこういう時にそんなマナー違反をする人じゃないけど、念のため。
今覗かれたら恥ずかしくて死ねる。
「そんな警戒しなくても。透視まずとも顔見るだけでバレバレだよ」
「やっぱコロすジジイ……!」
「怒るなってば。いいじゃん、僕もおんなじなんだからさ」
笑いながら指を一本。触れられるだけで、簡単にシャツを剥ぎ取られる。ムードも雰囲気もあったもんじゃない。その癖自分は、学生服の上着を脱ぎ落とし、ゆったりとした動きでシャツのボタンを一つ一つ外す。余裕綽々に見下ろされてるのもなんか嫌だし、そんな少佐に目を奪われる俺自身にも苛立った。
「えっと、ここでするんスか?」
「嫌かい?」
「嫌じゃないけど……なんつーか……」
ここは少佐の寝室の続き部屋になっている、基本的には少佐しかいない居間だ。だから見られる心配とかはないけれど、ソファーは狭いし、背中は痛くなるし、おまけに万一汚したらと思うとちょっと怖い。それに……。
「わかった。ベッドに行こう」
そう少佐が口にした次の瞬間には、俺は柔らかいシーツの上に投げだされていた。ぼふん、とスプリングが音を立て弾む。便利だけど、やっぱりムードはない。
「これでいいかな?」
答える代わりに、俺は少佐に腕を回した。ぎゅうぎゅうと締め付ける勢いで。ソファが嫌だった理由はもう一つ。こっちの方が遠慮無く甘えられる気がするのだ。小さいころ、いつもこうして一緒に寝ていた思い出があるからかもしれない。
カチャリと小さな音が鳴った。少佐の手が、俺のベルトを外したのがわかる。肌が直接外気に触れる軽い衝撃に備え目と口を噤む。ひやりとした感触はやり過ごしたものの、少佐の指にいきなり握り込まれる衝撃に不覚にも声を溢してしまった。
「……あッ」
思わず口を塞いだところを呆れたように見咎められる。
「口を押さえない顔隠さない」
「ん、ぁっ、ゃっめ……!」
呆れたような口ぶりと念動力でいとも簡単に両腕をシーツに張り付けられた。こんなこと、少佐にとっては赤子の手を捻るよりも簡単に違いない。指先でシーツをぎゅっと握る。覆い被さった少佐は、楽しそうに腹の下あたりを撫で回したり、もっと敏感な部分に指を絡ませる。
ちなみに俺は全然楽しくない。少佐のことは大好きだけど、少佐にこんな風に触れられると、いっぱいいっぱいになってどうしていいか解らなくなるから。
ずりずりと下の方に移動した少佐に、膝の裏に手を添えられ、足を持ち上げられてしまった。輪のようにした指を上下に動かすようにして過ぎる刺激を与えられる。ただでさえ、ぐちゃぐちゃになった感情で溢れそうなのに、やっぱ少佐は意地悪だ。
「少佐……あ、んっ……!」
「……少佐じゃなくて京介って呼べよ」
「ぁ、京、介……!」
少佐の手に触れられてるだけで簡単に限界に達してしまう。男としてそれはどうよって思ったのはだいぶ昔の話だ。ここ数年ですっかり慣らされきった体はいとも簡単にこの普通に考えたら異様な状況を悦んで受け容れていた。
「もういれていいかい?」
「ん……」
良いも何も、聞くなよそんなこと。
吐精した疲労でもあるが半分以上は恥ずかしさでカクカクと首を力なく振ることしかできない。
少佐は困ったように笑うと、それでも一切の遠慮もなく俺の残滓を滑油に指で広げる。それほど痛くはないのは慣れってのもあるけど、それ以上に辛抱強く少佐は指でしてくれるから。最初の衝撃が馴染むのを待って、徐々に中を探る指を増やされた。
俺は俺の好きなやわっちい女の子じゃないんだから、もっと乱暴に痛くしてくれてもいいのに。時間をかければ掛けられるほど、その間バカみたいに喘ぐことしか出来ない。おまけに、後の刺激だけで再びイってしまいそうなんて、これじゃもう少佐のこと変態とか言えないじゃないか。
やっぱ、むかつく。
あと少しで舌先まで出掛かった悪態は唇ごと封じられる。
「ん、んぅ」
「ごめんね、焦らすつもりはなかったんだけど――僕のために我慢してくれるのがあまりに可愛かったんでつい」
言葉の後ろ半分は、キスで濡れた舌を耳に直接ねじ込まれた。
同時に、下も。充分すぎるほど解された穴につっこまれた。
気持ちい、とか痛い、とか全部一緒くたにされた圧迫感と恍惚に震える。
ぐ、と奥まで届いた時は息も出来ない程苦しかったけれど、すぐにまた自分のじゃないみたいなみっともない声が漏れた。耳を塞ぎたいのに決してそれは許されない。
「ァッ……やァッ、、――っ、ふ、ぁ」
「いいんだよ我慢しないで。もっと甘えて、僕に全部任せてごらん」
いつになく優しくかけられる言葉もまた嫌だ。
もっと別の時に言ってほしい。
「京、介って、ひどいよ、な…っ」
「何処が?まあ、今は酷いことしてる自覚はあるけど」
「ん、な、こっぱずかしこと言うなよ……!じゃなくて、」
少佐は、俺の大切な人だ。友だちであり家族であり仲間である――なんて言葉以上に、少佐はまさしく世界の全てだった。
だから少佐と繋がることで、兵部京介という存在が、バラバラだった俺の世界をあるべき姿に戻す。
魚が水の中に戻るように、鳥が空に羽ばたくように、少佐の腕の中にいることで俺はようやく俺になれるのだ。
「じゃなくて……?」
ぽかんと口を開けたまま固まった俺を、少佐が不思議そうに見下ろして髪を撫でた。
いつもそばにいてくれ?置いて行くな?もっと甘えさせてくれ?
どれも、子供じみた際限のない馬鹿げた望みだった。
代わりに、腕を回してしがみついて、大好きな育ての親の名前を呼ぶ。
「きょ……すけ、きょう…すけ…!」
「僕も好きだよ、葉」
子供をあやすように背を擦る手も、撫でられる頬も、嵐のように波だつ心を静めさせた。
「ふ、あ……」
「……んッ」
中を穿つ苦痛を伴う快楽は、いつのまにか穏やかな愛撫に変わり、少佐も俺の中で果てたことを知った。
妙な寂しさと、それ以上の幸せが入り交じった独特の倦怠感に包まれもう起き上がる元気もない俺に少佐は毛布をかけながら囁く。
「僕は君も、他の子供達も、誰一人手放したりはしないさ。これでも貪欲なんでね」
「……うん、知ってる。いい歳して激しいもんな、アンタ」
目を瞑ったままやり返すと、少佐は、「そうだな」と笑って俺を抱きしめた。
――――
「ハッ、ハァッ、ハァ……」
心臓の痙攣に飛び起きると、つい先ほどまで体を交わして養い子に見下ろされていた。見開かれ脅えた瞳に、酷い顔色をした僕が映っていた。
「おい、ジジイ、ジジイ平気か!」
「心配ない……すぐに、収まる……っ」
心臓を押さえて丸めた背に、すぐさまクッションを押し込まれる。葉が差し出す大きめのクッションに背中を預けるとだいぶ呼吸が楽になった。
「待って、今薬とってくるから…!」
言うが早いか葉はベッドから飛び出しふわりと浮き上がった。布きれ一枚身に纏ってない裸身に見かねて僕のバスローブをESPで飛ばす。
「な……!バカかあんた!今そんなんで力使うなよ!?」
「平気さ。薬はそのサイドテーブルの上。水も一緒に」
肺まで浸透した痛みが単純な言葉を紡ぐのさえ阻む。
葉が取ってきたカプセルの錠剤を素早く水で流し込んだ。
「……、はぁっ」
「京介、大丈夫?」
僕のバスローブを身につけたまま、傍らにちょこんと正座して不安げに覗き込む葉に背を擦られると、ようやく乱れた呼吸も鼓動も落ち着いてきた。
「…ったく、なんでおまえが死にそうな顔してんだよ」
「ほんとに、ほんとに平気?死なない?!」
「ああ、当たりま……うっ」
まん丸の大きい瞳にたまった涙が今にもこぼれ落ちて来そうな葉を安心させようと、寝乱れたふわふわの髪に手を伸ばしたのが仇になった。余計に心配になったのか葉は今度こそ慌てふためく。
「今真木さん呼びにいってくる!」
「コラちょっと待て!その恰好で出てくなって。あいつを心臓麻痺にでもする気かよ」
「だって俺わかんないし!真木さんなら適切な処置出来るだろ?!」
今にも飛び出してドアをぶち破ってでも真木のところに行きかねない葉をなんとか押しとどめて抱きしめる。葉に心配されるまでもなく、発作は一瞬で治まるのだ。
「しょうがないやつだな、お前は」
「……やだよ、俺。少佐が腹上死なんて」
ぷい、と頬を染めてそっぽを向く葉は、大まじめに言ったつもりのようだ。
よりによって腹上死はないだろう。
思わず声に出して吹き出すと、葉にじっとにらまれる。
でもまあ。
「それもいいかもな」
そういうと、葉は爬虫類か何かを見る目付きでぎょっとする。
「や、やっぱ真木さん呼んでくる…!少佐がそんなこというなんて変だ!」
「だから待てって。……冗談だよ。ベッドの上で楽に死ねるなんて思ってないさ」
じわりと溜まった涙がとうとうこぼれてきた。頬を流れる涙を唇で拭ってやると、塩辛い味がする。
「それにわざわざ呼ばずとも、僕は君だって随分頼りにしてるんだよ?確かに真木ほどではないけどさ」
「ひでーよ、少佐」
――早く君が大人になってくれないと、僕は安心して死ぬことも出来ないじゃないか。
とは、心の中だけに留めておく。そんなことは告げずとも人一倍愛情に敏感なこの子がその想いに気付いてないわけがない。第一、口に出したらこの子はきっとますます甘えん坊になって真木や紅葉の手を煩わせるだけなんだから。もっとも彼らも僕と同じで、この末っ子に甘えられることを嫌がるはずもないが。
「でも、たまには夢を見たって良いじゃないか」
「どんな夢……?」
「ひ、み、つ」
勿体ぶって笑う。
(「うっわ!ジジイの癖にキショい!」と言ったのは聞かなかったことにしてあげよう。)
いいじゃないか、たまには。
愛する子供達に囲まれながら、静かに逝く夢を見たって。
叶えるための「夢」ではなく、頼りないまぼろしの「夢」。うつしよでは手の届かない夢物語。
「ま、そんなわけで僕はもう一回寝るよ。葉は寝ないのか?あれだけ激しくしてやったってのに、若いっていいねぇ」
わやわやと抗議する愛しい子供を抱き枕代わりに腕に閉じ込め、骨張った肩口に顔を埋めるようにして納まりの良い場所を探す。身動ぎしていた葉も次第に大人しくなり、やはり疲れていたのかすぐに規則正しい寝息を立て始める。
この子は今、どんな夢を見ているのだろうか。
覗いてみたい気もしたが、わざわざ透視るまでもなく、こうして黙っていれば天使のような愛らしい寝顔から察してしまうのはひとえに一緒に過ごした時間の長さか。おやすみ、と額にキスをして似たような夢の中に落ちた。
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ネム
『合歓』
ネムノキ、と聞けばほのぼのとした響きがあるのに合歓と表記すると途端にいかがわしさが増すのは何故なんだぜ!合体して歓ぶから?それとも音か!音読みのせいかぁぁぁ!!!!