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8月8日は葉っぱの日!ということで今日から4日間は葉っぱの日記念な捏造過去話でも。
タイトルは葉っぱが四枚で四つ葉のクローバー、みたいな感じです。
でも4つの話は全く繋がってません。
あと、どれもめちゃめちゃ短いです\(^o^)/
クローバー 1まいめ
鳥は、雛だけで育てると鳴き方を覚えない。
また、そばにいる成鳥の鳴き方を真似るのだそうだ。
たとえヒナが雀の子だとしても、育てたのがウグイスならば世にも綺麗な声で鳴くのだという。
「君の名前は?」
「……」
黒い詰め襟の学生服を着た少年は、小さな子供に視線をあわせるようにかがむと、ふわふわの茶色い癖毛をなでた。しかし恥ずかしがり屋なのか、一緒に見つけた少女の背に隠れてしまった子供はぽーっとした瞳を揺らすだけで何も答えない。少年は困ったように首をかしげて、そして言った。
「僕の名前はね、兵部京介っていうんだ」
「きょーすけ?」
たっぷり数秒待ってから、あどけない澄んだ声が響いた。
「うん、京介」
「きょーすけ!」
「そうだよ、よろしくね」
兵部が差し出した手の平に、柔らかい小さな指がぎゅっとしがみついた。
「……よう」
「ん?」
「おれの、名前」
精神感応でとっくに子供の名前は意識から拾い上げていたが、兵部は初めて知ったように微笑んだ。
「いい名前だね、葉」
「いいなまえ?」
「うん、紅葉も、司郎も。きっと近い未来にたくさんの人《エスパー》がその名前を呼ぶんだ」
兵部は紅葉と、一番年上の真木の顔を順番に見て、そしてまた幼い子供を見た。
それが兵部と葉の最初の出会いだった。
兵部はいつものように膝の上に葉をのせ、リビングのソファでくつろいでいた。
「超音波っていうんだよ」
「ちょうおんぱ?」
葉は初めて聞く言葉に目を瞬かせて、兵部を見上げた。しかしその響きが気に入ったようで何度か舌の上で転がした。
「うん、音波。葉の力のことだよ。ほら、もう一度やってごらん」
「おんぱー、おんぱー、アー、」
キィィンと空気が振動する。部屋の四隅まで広がった音波にびりびりとカーテンが揺れて、ガラスが危うく割れそうになったが兵部は手を叩いて喜ぶのだった。
「そう、出来たじゃないか」
「できたー!」
いいこだね、と癖の強い髪を撫でると葉は嬉しそうに目を細める。
「もう一度やってごらん」
「もういちどぉー!」
ぱかっと口を大きく開き、歌うように口ずさむ声にのせて再び音の波が広がった。
部屋のむこうまで届き、地震のようにみしみしと壁がきしんだ。
突然の震動に、4人分の夕ご飯を作っていた真木少年がキッチンから飛んできた。
「な、なんですか今の?!」
「ああ、葉に教えてたんだけどね」
真木も紅葉も、元々持っている強い力はあったがより強い力を引き出す方法を教えたのは兵部だった。
だけど、
「家を壊さないでくださいよ、やるなら外で!」
思わず真木が叫ぶと、鍋からお湯が吹きこぼれたのかシュワアアと危険な音がキッチンの奥から聞こえてきた。葉と兵部は顔を見合わせて笑う。
「いいじゃんべつに」
「いいじゃんべつにー。真木さんのけちー、えっちー」
「うわ?!」
リズミカルな可愛らしい暴言だが、凶器に変えることを覚えた葉の声は、真木のだいぶ伸びた長い髪を一房けずる。真木がとっさに避けられなければもっと酷いことになってたに違いない。
「……というか葉になんて言葉教えてるんですか!」
兵部に助けられるまでは自分に一番懐いてたのに、という真木のささやかな懐古は飲み込まれ、
再び時はすぎ今現在。
「少佐、今日こそたまっている書類に目を通してくださいね?!」
「えーめんどくさいなぁ。葉にやらせといて」
「葉、次の――」
「うわっめんどくせー。真木さんがやりゃいいじゃん」
好きなことしかしない気紛れと、人をからかうことに精を出す悪戯好きはしっかりと親から受け継がれ、おまけに毒舌まで加わった葉に死角はない。
鳥は、雛だけで育てると鳴き方を覚えずそばにいる成鳥の鳴き方を真似るのだという。
まっしろな雛は、悪戯好きなカラスの鳴き声を覚えたのだった。
クローバー 1まいめ
――
兵部さんは鳥にしたらカラスだと思う\(^o^)/
神々しくて賢くて美人さんで悪戯好き!カラス大好きです。
葉はパンドラ一、少佐の遺伝子を受け継いでいると思います(だめな意味で)
少佐の信念や高潔な理想とかは真木さんが受け継いでるのかな。
こんな具合にまったり行きます。
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