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真木兵前提の桃兵です
パティの同人誌を見ても平然と、しかも「見セレバ喜ブノニ」と嬉々としている桃太郎から妄想。
桃太郎は絶対に真木兵や兵葉の関係を知ってると思う!という妄想です。
微エロですが、ちょっと特殊嗜好注意です……
カプ名から色々察してやってください\(^o^)/
『ドント・タッチ・ミー』
さながら王様が眠るような大きな柔らかいベッドの真ん中で、その寝床の大きさに比べると驚くほど小柄な兵部が豪奢なシーツの襞に包まれるように体を横たえていた。時折訪れる心臓の発作も今夜はなく、すやすやと眠るあどけない頬は少年そのものだった。
隣にはいつものように彼のペットであるモモンガも一緒に休んでいた。
大きなしっぽを丸めてこちらもすぴすぴと気持ちよさそうに眠っている。
その時、
「う、……ン…」
クン、と手を伸ばして、桃太郎を腕の中に抱き込むような形で兵部が寝返りを打った。
《キョ、京介、重イ……!!死ヌ……!》
桃太郎は思念波の干渉レベルを最大まであげて訴えたが、よほど疲れているのか兵部が起きる気配はなかった。このままでは押し潰されてしまう。空気砲で反撃しようと考えないこともなかったが、よく眠っている兵部を超能力で攻撃してまで起こすのはさすがに忍びなく、桃太郎は少しでも圧力のかからないところに小さな体をもぐりこませた。
「ん、」
桃太郎は緩く開いた兵部のパジャマの胸元に飛び込んだ。体を丸めているため、そこから下のほうにはほんの少し隙間があったのだ。そこから逃げだそうと桃太郎は考えたのだが、
「ぁ……ん、……」
むきだしの腹の横を桃太郎がてってってと尻尾を揺らして通り抜けるのがくすぐったかったのか、兵部は鼻から抜ける溜息のような、なにやら悩ましい寝言を呟いた。
《ドシタ、京介-??》
兵部の寝間着の内側にいる桃太郎は小動物らしく可愛い仕草で小首を傾げる。
それでもやっぱり兵部は起きない。仕方ないからヘソの横を蹴飛ばした。これで起きるだろうか。
「ん、ん、んぅーー」
兵部はむずがるように吐息を溢すと今度こそ、こてん、と再び寝返りを打って仰向けになった。
《アー暑カッタ!!オマエ寝相悪スギダロ!子供カ》
桃太郎はようやくパジャマの下から這い出すと、まだ眠り続けている兵部を見下ろした。
桃太郎が暴れたせいで、ボタンが半分外れて白い肌があらわになってる腹の上をちょろちょろと桃太郎が歩いた。
《ダイタイサー、京介ノ方ガ僕ノ子分ナノニ。ナンダヨコノ間抜ケナ寝顔》
日頃の腹いせも含め、かぷ、と脇腹に噛みつくと兵部がうう、と呻いた。
「ぁ、……なに……もぉやめ、…、ま、ぎ……ぃ」
《ん……?真木?????》
桃太郎は驚いて顔を上げた。が、兵部は形の良い眉を顰めてはいたが、黒い双眸はしっかりと閉ざされたままだった。くん、と白い顎を仰け反らせて寝苦しそうに顔だけ横に背ける。銀の髪が枕にさらりと流れるのを見て、桃太郎はポンと手を打った。
《アア、イツモ京介ガアイツニヤラセテルヤツカ》
どうやら兵部は触れる感触を真木のものと寝ぼけて勘違いしているようだった。
そうとわかればためらうことはない。桃太郎は人間の男にも女にもそういう意味での興味はないが、ちょっとだけ見よう見まねで悪戯してやろうと思いついた。
縦にいくつか並ぶパジャマのボタンを完全に外し、まずはただ歩いて見る。
爪でひっかいたりはしないように、
ちょろちょろ、ぺたぺた、とんとんとん。
いったりきたりただ走る。
「ん、ぁ……やめ、ろ」
《ワッ……!危ナイ危ナイ》
兵部は余程くすぐったいのか寝ているはずなのに手で振り払われ、落っこちるのも1度や2度ではなかった。
こしょこしょとくすぐるようになだらかな胸を尻尾で叩く。
首筋からなだらかな腹の上も、無防備に投げだした二の腕の内側まで舐めて噛みついて、尻尾でくすぐる。
《ナンカイツモミタイニナッテキタ》
頬をうっすらと染め、じわりと肌が汗ばむ様子を観察して、桃太郎はふいにそんなことを思った。
少しだけ面白くなって、桃太郎は鼻を近づけると兵部の白い骨張った胸の、一点だけ薄く色づいた突起を舐めた。次は傷つけないように噛みついてみる。
「ん……ふ、真木、しつこ……ぃ、」
《イツモコイツラウルサインダモンナァ、コレジャア僕ガ寝レナイヨ》
不明瞭だった寝言は徐々に明確な意思と言葉を形作り、もうすぐで目覚めそうだったが桃太郎は気にしなかった。踊るようにぴょんぴょん身体中を飛び跳ね、
《ソウダ、下モ》
と、毛布の下のパジャマのズボンのゴムを弾いてもぐりこもうとした時だった。
「……何してるんだ、齧歯類」
《ア、起キチャッタ》
兵部はぱちりと目をあけ、黒い切れ長の瞳からこれでもかと殺気を放って桃太郎をつまみ上げた。
「新聞紙にくるんで捨てられたいようだな?!」
《イイジャン!気持チヨカッタンダロ?》
「んなわけあるかこのケダモノ!」
兵部は桃太郎の尻尾を掴んだまま放り投げる。桃太郎は壁に叩きつけられ潰れたカエルのような呻き声をあげた。
《何スルンダヨ!アイツニハ同ジコトサセテルノニ》
桃太郎はひゅーっと飛んで戻ると兵部の腹の上に着地した。
あいつ、とはもちろん真木の事だ。兵部は言葉に窮してぶすっと桃太郎を見下ろした。
「いや、そもそもおまえモモンガだろ。人間じゃない」
《……ソリャソウダケドサー》
ぷっと頬を膨らませる桃太郎が心なしか寂しそうに見えたので兵部も溜飲をさげた。ふたりとも戦前の生まれだというのにどちらも往々にして大人げないのだ。兵部が手招きすると桃太郎はひょいっとその手の平に飛び乗った。
「ごめん。でも、もうするなよ?」
《エー、ドウシヨッカナ。京介随分喘イデタシ。面白ロカッタヨ!》
「……次やったら強制的にハムスターの檻につっこむからな」
桃太郎は解ったのかわからないのか、キュウキュウとモモンガらしい返事をしてあくびを一つすると、兵部の枕の隣で丸くなったのだった。
そして次の日。
「あの、少佐」
「なんだい。真木?」
「桃太郎がやけにこっちをじーっと見てるんですが」
桃太郎は彼の寝床のクッションの上で尻尾に埋もれるように丸まっていつもは寝ている(あるいは寝たふりをしている)のだが、今夜はなぜかベッドの上で兵部に折り重なる真木をじっとアーモンド型の瞳で見つめていたのだった。
『ドント・タッチ・ミー』
――――
いっつも兵部の肩にくっついてる桃太郎が可愛すぎる。
これ微妙に兵葉に続きます。
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