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兵部に拾われる前の生活は、たまに夢の中のスクリーンに描かれる。
擦り切れたフィルムに映し出されたサイレント映画を繰り返し見ているのにも似ている。
黒と白のモノトーンの映像は、赤色だけは鮮明に鮮烈でだった。爆音も銃声も聞こえない。無音の世界に、耳の奥にこびりついた記憶が、アフレコのように切迫感を持った音をつける。幼い頃の記憶に基づく混沌としたちぐはぐさは、これは夢の中だというのはわかっているのに、やけにリアルで、真木はいつもその夢を見ると嫌な気持ちになるのだった。
「……しょ……さ」
「うなされているようだったから起こしたよ」
真木が目を開けると、目の前には兵部の顔があった。
前、というよりは上。仰向けに枕に頭を乗せていた真木の、胸に頭を乗せ、そして少し伸び上がって、唇が近づくほど近くにある人形のような整った顔だちは、もうかれこれ15年以上前にも、真木の悪夢を終わらせてくれた彼のものだった。
「寝言……何か言っていましたか、俺」
真木は微かに呻いた。低い声は、寝起きにしても掠れていて、自分のものではないみたいだった。ごくりと唾を飲み込んで大きく息を吐き出す。ようやく、生きている心地がした。手足の先に、現実感が戻ってくる。
と同時に、幼い頃の悪夢を見てうなされるなんて情けないところを兵部に見られたといういたたまれない羞恥に襲われた。
「ううん、呻いていたけど、それだけ」
「うるさくしてすみません、眠れなかったですよね?」
「平気だよ。でも、時々変な顔してたから…寝ている間にもここに皺が出来たらやだろ?」
兵部の人差し指が、真木の眉間をつんつんとつついた。
こそばゆいような感覚に、真木は顔をしかめ、兵部の手を取る。
指先をまるめるように手の平を握ると、安堵する温度が伝わった。
「それに君の寝顔、じっくり見る機会があまりないから」
「そうでしょうか、いつもこうして寝てるのに?」
真木は、体の上の兵部の重みを確かめたくて、背をゆるやかに手の平で撫でた。
「だって、僕のほうが先に寝ちゃうじゃない」
――君ってば激しいんだもん。
兵部はくったくのない笑みを浮かべたが、真木にしてみればこれっぽっちも笑えない。
夢の切迫感に気を取られていたのだが、兵部も、そして自分も、毛布も下は下着一枚身に付けない裸でいることを急速に思い出すのだった。
あらためて皮膚感覚に意識を集中させてみると、兵部の足が自分の足にからまっていることに気付くし、男同士、体のおうとつもなく、これ以上ないほど汗ばむ素肌が密着していることもわかるのだ。当然、既に一度熱を放出して柔らかくなった陰茎が、直に兵部の腹に触れている。そして一度意識してしまえば、一気に硬度をますような気がした。
「……ねぇ、なんか当たってるんだけど」
「……す、すみません……」
真木は慌てて腰を引き、体の上から兵部をどかす。
力任せにしないように軽く肩と脇腹を支え、ころりと隣に転がし肩まで毛布をかけた。
兵部の部屋のベッドはとても広い。なにも、こんな体を重ねて密着する必要はないのだ。
兵部は真木の隣に仰向けに寝転がされ、不思議そうに真木を見上げる。無理矢理に真木から体を引き離され、不服そうにも見えた。そして、紳士を通り越して人畜無害な真木を揶揄するように挑発的に笑った。
「なんだ。しないのかい?」
「……いいえ」
しかし、真木のかすれた声が返した言葉は、兵部の予想に反するものだった。
「いいえ。あのままではやりづらかったので」
シーツに仰向けに寝かせた兵部の肢体を抱きすくめると、腕の中に繋ぎ止めるように覆い被さる。真木の長い髪が肩から垂れ落ち、そうすると兵部の視界は闇の中に閉じ込められた。
「ぁ、ん……ン」
起きたばかりのせいか、口の中が乾いていて、キスだっていつもよりも感じるくらいだった。長い間そうしていて、真木は自身の中心に指を沿わせ二三度擦って硬度を確認すると、ためらうことなく兵部の中に押し込んだ。
「ぁ、ャアアアア、い、っ…」
驚くべき性急さを見せた真木に、兵部の腰は跳ね、「信じられない」とばかりに漆黒の瞳が見開かれる。
汗ばんだ腕が真木の背にまわされ、何かにしがみつくようにして爪を思い切り突き立てた。
「慣ら…しもしないで入れんなっ…、ぁ、真木……ッ」
「だいじょうぶですよ、さっき俺の出したのが中で残ってるので」
「だから、って……ぁ…ん」
真木は寝汗が伝い枕元の光を弾く兵部の首筋から目を離せないでいた。
よくみると、鎖骨のくぼみに、つい数時間前につけた赤い鬱血が一つ、楔のように残っている。
「痛くはないでしょう?」
全てを埋め込むと、真木は兵部の呼吸が落ち着くのを待つ。
つい数時間前にしたばかりとはいえ、唐突な刺激に兵部の中はいつもよりも敏感にひくひくとうごめいていていた。はっ、はっ、と浅く繰り返す呼吸にあわせて細い体が震える。
「ない、けど……きゅうにするから…おどろ…ぁ、ああ、や、ぁあああ」
「……少佐、すみません」
あなたを感じさせて下さい。
真木は兵部の言葉を最後まで待たずに律動を開始する。
なぜそうしてしまったかはわからない。悪夢のせいで、まだこの世界に現実感が伴わないからこんな無茶が出来るのかもしれなかった。頭が鈍く痺れている。
まだ夢を見ているようだった。
夢悪
――――――――
真木さんがヤンデレみたいになってしまった\(^o^)/
怖い夢見ると、起きた時にわりと理性失ってたりするよね。
朝起きたら己のやらかした惨状に当然のように真木さん全裸でスライディング土下座コースです^q^
お気に召したらぽちっといただけたら嬉しいですv
朝からお腹いっぱいです^^これで1日働くパワー貰えました!!(笑)
ヘタレなのか強気なのか、やっぱりヘタレなのか、そんな真木ちゃんがサイコーです!!
あのサプリを見た時から悪夢を見て精神的にキちゃってる真木さんを妄想してたのでオイシク頂きました!
「一度熱を放出して柔らかくなった陰茎」の一文がすごく私のアンテナを揺らしました!!その辺を書かれてる小説ってあまり見ないもので、事後や事前のまだ臨戦状態になってないソレの描写をされるふうたさんの小説は大好きです。
ちょっと誤解を招きそうですが宣言させて頂きます。
やわらか陰茎萌え!!
誘う癖に翻弄される兵部さんはとっても可愛いです!真木兵は二人とも二面性があっていい感じですね。
連続コメント申し訳ないです。
なんだろ、最近めちゃめちゃ更新滞ってますので、そういっていただけるとこちらこそ一日元気に頑張るパワーいただけますよーー!ありがとうございます!これからも頑張りますーー!
真木さんは、本来の真木さんはすごく強気なんだけど少佐が好きすぎてヘタレになっちゃう感じなのを妄想してますvでもやっぱりヘタレ。でも普段ヘタレだからこそ、たまに雄臭い真木さんが見て見たくなる無限ループ…!!!
真木兵はほんと無限の萌えですね!
わーーーお仲間!!お仲間!!
私も、行為前・後の柔らかくなった陰茎に萌えます…!臨戦態勢じゃないアレってあんま書かれないですよね…普段と違う形(むしろそっちが普段だけど)で、なんかときめく…!!ブラーんてしてるのが間抜けっぽいからかな?する前のより、出してちょっと湿っててやわらかくなって陰毛に埋もれてるのがいいと思います。真木さん髪もじゃだし下もすごいと思うよ!!
あああせっかくのコメントのお返事にこんなこと書いてすみません…真木さんの下の毛についてはわりとタブーなのか、あまり語ることなくて…!きみまろさんのコメに思わず食いついてしまった…!ひいてたらごめんなさい><
兵部さんは、自分では誘う癖に、多分相手がその気になったら逃げてしまうと思います。真木さんは、乗せられるまではヘタレだけど、やれば出来る子的に一度その気になったらガンガンいくとおもいます。そんな相性よすぎる二人の二面性^^^
いつもコメントいっぱいありがとうございます!!!語るの大好きだし反応いただけるの幸せすぎて、なんかもういつも幸せすぎて…!ほんとうにありがとうございます…!!!!!!!
真木さんは男性フェロモンもりもりっぽいので、ギャランドゥ☆な感じでも私としてはOKです!!兵部さんがお綺麗なピチピチボディで下を含む体毛とか薄そうなんで、代わりと言ってはなんですが真木さんは結構ご立派な感じで。行為後に下の毛に指を絡めながら兵部さんに「昔はつるつるで可愛かったのに」とか呟かれたら、その後真木さんはカミソリ片手に風呂場で思い悩むんでしょうか。あ、あと、下も炭素化出来るのかも非常に気になるところです。
陰茎はとてもいいですね!まだ完全に硬くなってない状態からインしてみたり、中で出した後で柔らかくなったり、ならなかったり…。いろいろなオイシさがありますよね!!
改めて読むと「二三度擦って硬度を確認」の一文がものすごいエロスをかもし出してて、もうそのまま一人でしちゃいなよ真木さん!とか思ったりもしました。もちろん兵部さんのご命令で。兵部さんの好奇心が満たされるまで。この体勢でそーゆー事をさせられるのはスゴイ光景だろうなーと思います。
誘って翻弄されて乱れる兵部さんに煽られて勢いづく真木さん。いいカップルですね!!
兵部さんの命令でソロプレイはいろいろおいしいです。そういうプレイは受けの人がさせられるのがわりとBL的セオリーですが攻めで見たいと思うので真木さんにぜひやらせてみたい・・・・!想像したら萌えすぎてやばいです・・・!